ローカルレール・コウカン・モノレート

 新宿の情報屋は準備を進めていた。
 ――……リャナンシーは、もうそんなに要らないかな。
 情報屋である折原臨也は心中でそう呟きながら、今から自分の手で行わなければならない行為に辟易していた。
 彼が目線を向けたコルクボードには、セーラー服を着たまだあどけなさの残る少女の写真が貼ってある。盗撮らしく視線は明後日だ。
 臨也は、その少女を閉じ込めて、暴行を加えることにしていた。

             ♂♀

 薄汚い室内で、醜悪な声と音と臭いが混じり合う。
 その部屋の生き物の気配は、組み敷く男組み敷かれる女、そして十日程前から放置されたままの半分残ったカップ麺の周りを飛ぶ羽虫のものだけだった。
 どれだけ嫌でも辛くても、悲鳴を上げれば殴られる。それは少女の世界の真理だった。されど近頃ますますエスカレートする暴力に、体は悲鳴を上げる。
「……ぅお、おとうさん……やめて……ください」
 懇願してもその日の欲望が枯れるまでは何も変わらない。それくらいは理解していたが、言葉にせざるを得なかった。
 引っ張られる髪も噛み付かれる肩も乱暴に扱われる足腰も痛み、訴えを言動に反映させるに足る。そしてまだ、訴えを掻き消す程ではなかった。
「お父さん? ……違うだろこのグズがっ!」
 少女の言葉に男は激昂と拳で答える。
「きゃあぁ! ………あ……うあ」
 少女は振り下ろされる拳を受けて小さく悲鳴を上げるが、男の怒声は止まない。
「何度直させたら気が済むんだ! パパと呼べと何度も言っただろうがあ!」
「ごめんなさい……ごめんなさい……ゆるして……ゆるして、パパ……」
 許しを乞う少女の目には涙が滲んだ。
 パパと呼ばされることだけは、絶対に嫌だった。まだ幼さの抜けない自分の声によって、過去の記憶が呼び覚まされる。
『パパ、パパ、あたしあれ欲しい!』
『しょうがないなぁ、じゃあ今度ママのお手伝いしなさい』
『はぁーい!』
 かつて少女は所謂お父さん子だった。父と母が大好きな、幸せな女の子だった。
 彼女の幸せな人生は、父の死を発端にして崩れて行った。いや、母と二人で暮らしていっても、小さな幸せを見つけて生きていけたかもしれない。しかし、少女はもう、一人だった。あの幸せな家族を構成していた人間は、もう彼女しか居なかった。
 薄暗い室内で、醜悪な声と音と臭いが混じり合う。

             ♂♀

 ――ああ、反吐が出る。
 少女の冬服姿を見つめながら、臨也はため息を吐いた。日差しは避けているが気温は蒸し暑く、蝉の声も容赦なく降り注いでいるため、イライラが募る。
 コルクボードの写真の少女は、その日も学校からまっすぐ家路に着こうとしていた。
『このままどこかに逃げてみないかい』
 今の少女とは違う少女に、臨也は面白半分に尋ねたことがあった。尋ねられた少女はそれまで誘導した通りに家庭への本音――つまり恨み辛み、果ては欲しい靴の話しまでしていたが、少しずつ和らいでいた表情を一転して硬くし、真っ青な顔でガタガタと震えだした。
『駄目だよ。私帰らないと。お母さんのところに帰らないと。だって、だって、色々言ったけど私、私、全部私が悪くてだから私の我儘で、ほんとは今履いてる靴だって私には贅沢すぎるってお母さん、だから、あの、ごめんなさい。ごめんなさい。全部私が悪いんです。それだけです。だから、私あの、その、ごめんなさい!』
 今ではその脅迫的な忠誠心は臨也に向いているのだが。……その時の少女は、ガッチリと嵌ったレールから、無理やり脱線させられそうになったようなものだったのだろう、酷く不安定で、すぐにでも瓦解しそうな勢いであった。
 ふと臨也が視線を今の少女に戻すと、丁度、先程臨也が適当に金で釣ったチンピラが彼女を路地裏に連れ込むところだった。
 そっと後をつけ、追いつめ終わった頃に乱入する。
「おっとそこまで」
 余計なことまでしでかしそうなチンピラをさらっと止めて何枚かのお札をちらつかせる。逆に暴れ出されたら少し面倒だがそんなことはなく、運が良かったのかそのチンピラは大人しくお札を受け取って駆けて行った。
「さて、仲間を呼びに行ってたら面倒だから移動しようか」
「……は、はい?」
 目を白黒させる少女に臨也は爽やかに微笑んで、肩を抱き寄せて歩かせる。
 この近くに臨也が借りきったアパートがある。その二階まで適当に誤魔化しながら誘導する。
「あ、あの……」
 部屋のドアの前でやっと声を上げた少女を、臨也は突き飛ばすように部屋に押し込み、ハンカチで口を塞いだ。
「声を上げないでくれ」
 臨也がそう囁くうちに、ハンカチに染み込んだあやしげな薬品により、少女は意識を失った。

             ♂♀

「おはよう、気分は良くないかな」
 少女はその声を、あの日見た海の水が声を上げたものだと思った。あの大きな手を思い出していた青白い手は、自分が固定されていることを思い出して痛覚を少女に伝える。
「いたっ……」
 少女が目を見開いてきょろきょろさせると、そこは見たこともない部屋だった。いつも帰る部屋にも似ていたが、あの部屋と比べると生活感が薄く感じられた。散らかっていて、食べかけのものも置いてあるのに、何故か。そして、目の前には見知らぬ、顔立ちの整った男。
「だれ」
 少女の短い言葉に、臨也は意識してにっこり笑って答える。
「新宿で情報屋をやっている、折原臨也だよ。よろしくね」
 そして臨也は少女の名前を、馴れ馴れしくちゃん付けで読んだ。
 暫く個人情報についての問答を繰り返し、ピリピリした空気の中で、臨也は黒いプラスティックで出来た物をパチッと鳴らして、一旦少女を威嚇する。
 それは、威力を落とす改造の施されたスタンガンだった。
 身をすくませた少女は逃げ出そうと足を動かすが、両手が手錠でベッドに括りつけられているので、殆ど身動きが取れない。
 臨也は、出来るだけ短い時間で、出来るだけ少ない暴力で、彼女の乗ったレールの先に自分のレールを敷こうとしていた。その為にはまず同じ規格のレールを用意しなければならない。一度乗せてしまえばこちらのものだということも経験則からも確信していた。
 臨也は電気を消すと、少女に近づき、その手首にスタンガンを押し付けた。そして、怯んで条件反射的に脱力し始めた少女の腹に腰を下ろし、馬乗りの形になる。
 暗い、お互いの表情も読みとれない部屋で、一瞬、臨也はとてもうんざりした顔をした。
 そして、少女の頬に拳を振りおろした。
 完全に少女の力が抜けたことを確認すると、臨也はセーラー服を作業的にまさぐり出す。臨也とて性欲がないわけではないが、それでも欲望のままに、という気にはならない。それでも出来るだけ自前で行くと決めていた。いざという時の為の道具も一応用意していたが、出来る限り彼女の普段の環境を再現したかった。それが一番手っ取り早い。
 乱暴にめくり、脱がし、時には思い切って引き裂いて切り刻んで、少女の肌を露わにしていく。臨也の手がそう動くたびに、新旧数多の傷が現れる。
 臨也は一番新しい傷に優しく、いつくしみを込めたくちづけをすると、苛立ちと憎しみをぶつけるかのように噛みついた。
「ああああああっ!」
 太腿の強い打撲の上から食い込む歯に、少女は悲鳴を上げる。人通りの少ないこの場所に立つアパートとその周りでは、その声を聞いた人間は居ない。
 イレギュラーな恐怖に、少女の瞬きは増加していた。普段滅多に感じることのない、鮮やかな死の恐怖。それが少女の触覚を鋭敏にし、また、悲鳴も上げやすくさせている。
「痛いよねぇ。ああ、心配しないで。命は取らないから」
 臨也は不敵に少女の耳元で囁くと、瞼にくちびるを押し当てた。その震えを人間らしいぶれを愛しいと思うと同時に、誰のペースでもなかったその場が、一瞬で臨也のペースに代わる。
 実に楽しそうに哄笑すると、臨也は少女の体の感触を手のひらで丹念に確かめていく。時々少女の「ひっ」という短い悲鳴が狭い部屋に響いた。
 一旦手が離れ、少女は身を堅くする。こういう時一度手が離れるということの意味を、少女は嫌という程分かっていた。そして、予想した通りの展開。手首がカチャカチャと手錠にぶつかり、痛む。
 ――私はこれからもこういうのに耐えてかなきゃならないんだ。これまでとこれからと、そして、これは、同じ……。
 少女の乗ったレールの先に、臨也の敷いたレールが見え始めていた。

 事が終わると、臨也はズボンのポケットから鍵を取り出し少女の手錠を外した。もう抵抗しないことは分かっていた。
 だらんとした手首の手錠跡を舐められると、少女は自分の意思とは無関係に身震いした。涙がにじむ。そして無意識にあの言葉を呟いた。
「ごめんなさい」

             ♂♀

 着替えだけはさせたあと、何度か少女をスタンガンで脅して今度は片手だけ手錠をはめて暫く休憩を取ると、臨也は街に繰り出した。
 そして少女の保護責任を負っている人物と話しをつけに行った後、少女の恋人に会いに行った。
「こんばんは」
「っ! 折原さん!」
 少女の六つ上の恋人は、臨也を見つけるなり縋りつくように駆け寄った。
「どうなってるんですか!? 俺は、俺は貴方の情報を頼りに、それで……!」
 切羽詰まって言う男の前に臨也は手のひらをかざす。そして、その顔から空まで抜けていけそうな、爽やかな笑顔を浮かべた。
「情報は情報なんですよ。イレギュラーな事態があったようで、私の情報網にもギリギリまで何も入ってこなかったんです」
 男は臨也の笑顔に苛立って声を荒げようとするが、それも臨也は制して、続きを口にする。
「なので、これはお詫びのようなものなのですが……」
 臨也の言葉を聞いて、男は表情を明るくする。
「わかりました! ありがとうございます! ありがとうございます!」
 臨也は涙を浮かべてほっとした顔をしている男の手に鍵を握らせた。
「これが鍵です。ああ、そういえば恋人がいらっしゃったはずですよね? 会いに行かなくていいんですか? もうこの街に戻ってこれないかもしれませんよ」
 臨也の気遣わしげな視線を受けて、男は態とらしいくらいに明るくカラッとした笑顔を見せる。
「なあに、大丈夫ですよ! あんなやつ気にしちゃいませんから!」
「……そうですか、それはよかったです」
 いくらかのやりとりの後上機嫌で立ち去る男を見送ると、臨也は皮肉な笑顔を浮かべて携帯電話を取り出し、商売相手の電話番号を呼び出した。
 ――どっちかっていうと、この街から出られないんだけどね。

             ♂♀

 臨也はコンビニで弁当と無難なジュースを購入すると、一度少女を閉じ込めたアパートに戻った。
「ただいまー」
 能天気な声に少女は目を開けた。先程自分に乱暴をはたらいた男は、親切そうな顔をしてごそごそ救急箱を漁りだす。
「なに、してるんですか」
 掠れた声に、少女は自分の喉が思ったよりも渇いていることに気づいた。臨也もそれは同じだったらしく、先程コンビニで購入したペットボトルのジュースを開けて少女に手渡す。
 疑問を抱きながらも空いた手でジュースを飲む。
「喉は落ち着いたかな。……ああ、今からすることはね、ただの手当てだから、気にしなくていいよ。ごめんね」
 優しく微笑んで、臨也は少女の髪を撫でた。
 ――ああ、そういえば、最初の頃は暴力の後、優しくされたっけ。
 ――最初は抱かれるのもとてもとても、嬉しかったなあ。
 少女は過去を思い出して自嘲した。反省して泣きだす男を見下ろしておろおろする昔の自分にばったり行き会ってしまったような気分だった。
「……さん」
 少女は自分の呟きに驚き、両手で口を塞ごうとして片手を手錠の内側に強くぶつけた。
「きゃ」
 臨也は一度他の傷の手当てをしていた手を一度休め、片手を塞いでいた手錠を外した。
 自分の手をさすりながら心底不思議そうな顔をする少女に笑いかけてから、臨也は手当てを再開した。
 手当てと周囲の片付けが終わると、臨也はコンビニの袋から弁当を二つ取り出し、少女に差し出す。
「とりあえず二種類買ってきたんだけど、どっち食べたい?」
「……えと、こっち」
 少女はためらいがちに自分の好物が入った弁当を選び取った。慣れないベッドの上のおぼつかない手つきで割った割り箸はとても不格好になってしまう。臨也は残りの弁当を自分の足に乗せて、気持ちのいい音を響かせて割り箸を割った。まっすぐに割れたので、すぐに少女のそれと交換させる。
 ――この人は何をしたいんだろう。
 弁当を食べながら、少女は臨也を盗み見た。けれど何度盗み見ても、何を考えているのか読み取れなかった。ただ、とても綺麗な男だということだけは分かった。
 その日少女は臨也の言うままに、その部屋で一晩眠った。臨也は忙しいらしく自分の構えている事務所に戻っていった。

 外からの鍵なんて高級なものは、そのアパートには存在しなかった。

             ♂♀

 昼頃少女が目を覚ますと、焼きそばソースともやしのいい匂いがして、テレビからはニュースが流れていた。特に混乱することもなく起き上がり、一度も見なかった台所を覗く。
 臨也は二人前のやきそばを作っていた。そして後ろの気配に気づくと手を止めずに声だけ投げかける。
「起きられたみたいだね。おはよう。ちょっと待ってて。もうすぐ出来るから」
「……おはよう、ございます」
 少女はやっとそれだけ言うと最初の部屋に戻り、自分が寝ていたベッドの上に座った。
 退屈な全国ニュースに飽きて、チャンネルを自分の意思で選ぶという行為すら思いつかない少女は、ただぼんやり前を見つめていた。
 臨也は鼻歌を歌いながら二皿のやきそばと二膳の箸を持って部屋に入り、テレビの前の卓袱台の上に乗せて、少女に手招きする。少女は促されるまま卓袱台についた。
「いただきます!」
「い、いただきます」
 二人でやきそばを食べながら、臨也はテレビのリモコンを操作し、地域のニュースをやっているチャンネルに合わせた。
 すると暫くして、そのニュースが流れる。
『昨夜未明、東京都――』
 ――え。
 少女の思考が、止まる。
 その、あまりにきな臭いニュースで大きく報じられている名前、そして顔写真。どちらも、知っているものだった。よく、知りすぎているものだった。
 ――あの人に替わるものなんて、何一つ、なかった。
 ――なのに、なのに……死んだ?
 錯乱しかけている少女を優しくあやすように、臨也は薄く微笑む。
「可哀想に」
 少女の乗っていたレールが途切れ、重なっていた臨也の敷いたレールの上を、少女の車輪はしっかりと踏みしめた。
「ご飯、残していいからね」
 臨也の声を遠くに感じながら、少女の数十秒は、思考の渦に飲まれていく。
 それまでの少女の絶対を占めていたのは、美しい思い出と、そして――

 拳を振るう、今テレビに映っている男という絶対の神様だった。

 私は何故あの男と付き合い始めてしまったのだろうか。パパが死んで、ママが再婚して、ママが死んで再婚相手が逃げて、伯母さんの家は居づらくて……。きっと、ただそれだけだったんだろう。
 最初は歳の離れた恋人に戸惑ったりしたけど、それも素敵だった。私を必要としてくれて私を愛してくれる。それだけで、充分だったのに……。
『試しに、パパ、って呼んでみてくれないか』
 その一言から、かりそめの幸せはひび割れていったんだっけ? 私は最初びっくりしたけど、自分が父のような温かさを求めていたことにも気づいて、断りの言葉が出なくて……。でも、ああでも、暫くは、幸せだったな……。
『パパはその、どうしても駄目だから、お父さんでいいかな?』
『ああもちろんさ。無理強いなんかしないよ』
 そうだ、お酒に酔って彼が私を叩いた時から、ちょっとずつ、二人で築いた日常が駄目になったんだ。酔ったあの人を見るのはそれが初めてだった。お酒に酔って意味不明な言動を繰り返す変態が本性だと気付く頃には、私はもう、離れられなくなってた。どれだけ殴られても無理やり犯されてもパパとママの思い出を蹂躙されても、何も出来なくなってた。
 その人が、もう居ない……。

 はっとして、少女はまたやきそばを口に運び始める。無理をしなくてもいいという臨也に食べたい意思を伝え、もくもくと皿を空にする。
「ごちそうさまでした」
「おそまつさま。大丈夫?」
「はい」
 そして新たな混乱を迎え入れて却ってすっきりした頭で訪ねる。
「あの、何故私を誘拐したんですか」
 すると臨也はあっさり答える。
「うん、手頃な駒がね、もう少しあった方がいいと思ったんだ。ああ、あと、彼がああなるように仕組んだのも僕だ」
 そしてにっこり笑う。
「衣食住と、あと学校は保障する。君の伯母さんにも話しはつけた。必要な時の小間使いに、なってくれないかな?」
 臨也のレールの上を、がたん、ごとん、少女は走る。
 乗ったときの規格が、それからも同じとは限らない。それでも、一度乗ったレールを下りるのが困難なのは変わらない。
 代替不可能な信仰に支配されていたはずの交換レート。それを一度代替可能に作りかえられて、もう一度別の代替不可能な信仰を作られてしまった。それが何となら代替可能に出来るのか、少女には分からない。
「断れ、ません」
 少女が素直な言葉を紡ぐと、臨也は欲しかった玩具を貰った少年のように、無邪気に笑った。
「もう言ったけど、改めて自己紹介しよう。僕は折原臨也。情報屋さんだ」
 少女が薄く微笑むと、臨也の、優しい言葉にも思いやりの籠った行動にも恋愛感情にも交換されることのないどこまでも純粋な同情が、一瞬、少女を見つめる視線に混ざった。

 少女はいつか他の数人のリャナンシーたちと話すことになる。臨也の『ただの同情』について。そしてちょっと子供っぽいところや平等で残酷な愛情について。
 そんな甘さすら含んだガールズトークがそのレールの先にあることなど、まだ誰も知らない。

 ただただ、神様の言う通り――がたん、ごとん。がたん、ごとん。

あとがき
 がたーんごとーん。若干尻切れなのはいつものことー。ちょーっとタイトルも無理やりになっちゃったかな。結構力技なところあるのですが容赦してくださいまし。
 ちなみに駒の子たちは私の中では、いざやさんの普通の兄な一面にとかもきゃっきゃした反応をしている(でも臨也の用事でもないと割とお互いに不干渉な)イメージ。
「普通のお兄さんみたいでかわいいよね〜」「ねー」「最低なのにねー」「ギャップ萌え?」「モエってなによ」「そういえば臨也さんくれる生活費ちょっっっと(でっかいちょっと)多いよね。かなり貯金が……」「わたしもー」「臨也さんってこっちが若干引くくらいそういうとこてきとーだもんね……」「じゃあ今度臨也さんの誕生日にみんなでなんか買おうよ」「いいね、じゃあ連絡回しとくね」「よろしく」「ところであのお店さー」

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